英文法って、先に進むほど難易度が上がるので、学習の途中で挫折してしまう人が多いですよね。
英文法で挫折した経験がある方は、一気に学習してしまうよりも、少しずつ使えるようになりながら進めていくのが良いです。
なぜなら、学習した英文法を使えるようになることで、ただ座学として学習するよりも、ずっと理解が深まるからです。
英会話を野球に例えたら、英文法はルールです。野球のルールだけを完璧に理解している人が、いきなりホームランを打てるとは限りません。
最低限のルールを知った上で、少しずつバットを振ってみる、ボールを投げてみるなど、段階を踏んで進めていくのも有効な学習方法です。
まずは中学生レベルの英文法からで良いので、漏れなくゆっくりと文法の学習を進めて行くことが大切です。
そもそも英語習得に英文法は必要なのか
「英文法など知らなくても、英語は話せる」という意見があります。
結論から言うと、「日本語を母語とする人にとっては」英文法は必須です。
なぜなら、日本語と英語の文法(語順)が大きく違うからです。
ただ、英文法を完璧に知り尽くしてなければ話せないのかというと、そんなことはありません。
十年以上英語圏に暮らす、非ネイティブの友人がいますが、友人の書く文章は、未だにBe動詞がよく抜けています。
”I happy to hear that!” (それを聞いて嬉しいよ!)
→正しくは I am happy to hear that!
といった具合です。
でも、この友人は普通に現地で働いています。もちろん職場の言語は英語です。
どうして、通じるのか。それは、語順が間違ってないからです。
友人の母国語はスペイン語です。
スペイン語の語順は、日本語よりもずっと英語に近いのです。
また、語彙や表現も似たものが多いので、スペイン語を話す感覚のまま英語を話しても、全く通じないということはありません。(何なら、かなり流暢です。)
これを日本語の感覚でやってしまうと、
That hear happy!
みたいになってしまい、全く意味が通じません。
残念ながら、日本語が母国語である時点で、英文法なしで英語を話すことは不可能に近いと言えます。
ただ、極論を言えば、語順と語彙さえ正しければ、多少間違えても通じる英語にはなるということです。
まずは、初歩の初歩から、コツコツと英文法を学習して行きましょう。
シンプルな英文法で話すことが大切
日本では「ネイティブのような英語力」を目指そうとする傾向がありますが、私は「通じるレベルの英語力」をまず目指すべきだと考えています。
なぜなら、実際はあらゆる場面で、非ネイティブと話す機会が多いからです。
技巧を凝らした話し方よりも、シンプルな英文法で分かりやすく話す方が通じやすいです。
そもそも、非ネイティブからネイティブレベルまで至るのは、そう容易なことではありません。
例えばパートナーがネイティブであったり、十代の頃から英語圏で暮らしていたのなら、可能かも知れませんが、少なくとも初心者が「ネイティブレベル」を念頭に置くのは、途方も無いことなので、おすすめしません。
最初はシンプルな話し言葉を学習して、そこから書き言葉など、さらに深い表現の違いを学んで行く方が、モチベーションも維持しやすいです。
「大丈夫かな…」と不安に思われるかも知れませんが、込み入った表現は、場数を踏む内に少しずつ分かってくるので、まずは「通じる英語」で話せることを目標にしましょう。
まずは中学1年生の英文法を完璧に
日常英会話において、最低限必要なのは、中1、中2英語です。
これを使いこなせれば、簡単な日常会話であれば十分可能です。
テキストを購入して勉強するのが良いですが、座学が苦手な人は以下の動画を見てください。
【中学英語】40分で学べる中1英語全解説授業
【中学英語】40分で学べる中2英語全解説授業
塾講師だいじゅ先生が、中学生向けに作った動画です。各40分程度で見られるので、復習に良いです。(子供向きにゆっくり話されているので、1.5倍速でOKです。)
分からない部分は何度か見直して、理解を深めます。
それでも分からない場合は、テキストで学習するか、各項目を細かく説明している動画を見ましょう。
【中学英語 教科書】NEW HORIZON 中1
【中学英語 教科書】NEW HORIZON 中2
動画を見たら、まずは中学1年生レベルの英文法を使いこなすことに集中しましょう。
「えー、そんな簡単な英文法から!?」と侮ることなかれ。
文法の「理屈を理解していること」と、「使えること」はレベルが違います。
“Kate is here.”
英文を見て、即座に状況が思い浮かびますか?(訳:ケイトはここにいます。)
すぐに思い浮かばなかった場合は、残念ながら、中1英語が「使える」レベルには達していません。
英語学習において、背伸びは厳禁です。
まずは、学習した英文法を使いこなすことから始めましょう。
英文法は使いながら学ぶ
動画やテキストで文法を学んでも、具体的にどういったシチュエーションで使うのか、ピンとこない場合があります。
その場合は、とりあえず仕組みの部分だけ理解できたら、どんどん例文を読んでいきましょう。
例文を多く読むことで、使うシチュエーションのイメージが見えてきます。
例えば、私が座学だけでは良くわからなかったのが「受動態」の使いどころです。
文の組み立て方は分かるけど、どういう状況で使うのかがよく分かりませんでした。
しかし、英語を話すにつれて、だんだんと分かるようになってきました。
それは、話しているうちに「これってどう言うんだろう?」という疑問がたくさん湧いてくるからです。(こういう時はGoogle翻訳で調べます。)
調べているうちに、思いがけず受動態が出てきて、使うシチュエーションのストックが貯まっていきました。
これを、実際の英会話なしで再現できるのが、例文を多く読むことです。
例えば受動態であれば、「受動態 例文」でググれば、たくさん例文が出てきます。
蛇足ですが、私の「受動態」の使いどころを少し。
・英語では受動になる動詞を使うとき
I was surprised! (びっくりした!)
→ I surprised xxx.だと、私が誰かを驚かせたことになる。
・動作の主体がわからない場合
The door was broken.(ドアが壊れていた。)
→誰が壊したかは分からない。
・動作が誰によって行われたかを強調したい場合
The house was built by my father. (この家は私の父によって建てられた。)
→やや書き言葉っぽい表現なので、私は会話ではあまり使いません。
イメージが思い描けたら、文法を使って、どんどん英作文していきましょう。
これを繰り返すことによって、文法表現とイメージが合致するようになり、理屈だけ知っていた文法を、「使える」英文法に変えていくことができます。
学習した英文法は、とにかく使うことでより理解が深まり、記憶に定着させることができるのです。
現在形・過去形・未来形以外は後回し
因みにですが、英文法の中で「時制」に、苦手意識がある方は多いのではないでしょうか。
極論ですが、私は初心者のうちは現在形、過去形、未来形だけに絞って話しても良いと思っています。(現在進行形、過去進行形も含む)
なぜなら、上記以外の時制を使うと、表現に深みを持たせることはできますが、必須ではないからです。
例えば、
I have been learning English since I was 12 years old.
(私は12歳の頃から英語を勉強しています。)
と言われれば、12歳だった話し手が健気に勉強を続け、今に至る様子を思い浮かべることができます。
時間に幅を持たせることで、情景を想像することができ、深みが出せるのです。
しかし、別に深みを持たせる必要がないのであれば、
I am learning English. I started learning English when I was 12 years old.
(私は英語を勉強しています。私が英語を勉強し始めたのは12歳の時です。)
と言い換えることもできます。
つまり、絶対に使わなければ会話が成立しないという訳ではありません。
時制に関しては、ざっと勉強だけして、まずは現在形、過去形、未来形を使いこなせるように練習するのが良いでしょう。(私も最初はそうしてました。)
もちろん、使えるのであれば、他の時制も積極的に使ってみたらいいです。
ただ、苦手意識があって、使うと混乱するのであれば、現在完了などの時制の練習は後回しにしても大丈夫です。
英語力が上がっていけば、表現したい幅も自然と広がっていくので、話すうちに足りない時制を学び直して、表現に肉付けしていけば問題ありません。
あとで立ち返って勉強する方が理解が深まることも多いので、とにかく分からないところで詰まって立ち止まってしまうことだけは避けましょう。
自分の話したいトピックを明確に
学んだことを使って英作文をするコツは、身の回りのことを表現するように心がけることです。(興味のあることでもいいです。)
そうすれば、表現する練習に加えて、身の回りのものの語彙も増えていくからです。
自分が英語を使って何を表現したいのか、強化したいところを絞って勉強していくことで、自分にとって必要な語彙や表現を最短で学ぶことができます。
表現する中で、詰まったところを覚えておいて、知識を足していく。そうすることで、さらに語彙や表現が増えていきます。
英会話の学習方法については別記事で書いているので、よかったらどうぞ↓
まとめ
以上、英会話に最低限必要な文法の学習方法について書いてきました。
英文法が苦手で、英語学習を挫折してしまうのは、本当にもったいないです。
理解ができない、不十分なところはひとまず置いておいて、分かる英文法からどんどん使って、まずは英文を作って表現してみることが大切です。
英会話は、続ければ誰だって話せるようになります。諦めず、気長に頑張っていきたいですね。
この記事があなたのお役に立ったら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント