英語学習はそれなりにしてきたのに、オンライン英会話などで、いざ話そうとすると何も言えなくなってしまう。こんなことはありませんか?
もちろん、最初はうまく話せなくて当然ですが、全く単語すら出てこないまま、ただ恥ずかしい思いをしただけで制限時間を迎えてしまったら、せっかくの英会話の機会が憂鬱なものになってしまいますよね。
私は、英会話力ゼロのまま、いきなり海外で話す羽目になり、それはそれは恥をかきまくってきました。
でも、もっと下準備を行っておけば時間も有意義に使えたし、情けなさで落ち込むことも軽減できたのではないかと思っています。
この記事では、実際に私がやってみて、大きな効果があった学習方法を紹介していきたいと思います。
英会話を実践する前の下準備
英語を話すのに、最も重要なポイントは以下の3点になります。
・母国語の感覚で話そうとしない ・文章は短くぶつ切りにする ・自分の使える英語に寄せる
それでは、具体的に説明していきましょう。
母国語の感覚で話そうとしない
私は、これが英語初学者の、最も大きなつまづきポイントだと思っています。母国語の感覚で話そうとすると、あまりの英語の出てこなさに、より大きな挫折感を味わってしまうからです。
母国語の表現力が「海」だとしたら、英語初学者の表現力は「コップ一杯の水」です。まずは、英語の会話能力は、母国語には遠く及ばないと強く意識することからスタートした方が良いです。
外国語を話すというのは、不自由なものなのです。母国語のような、潤沢にあふれる海の水をすくい上げて話すような感覚とは全く違います。限られた水(表現力)を使って、いかに言いたいことを伝えるか、外国語での会話はこれにかかっています。
英語を話すときは、母国語を話す感覚を引きずらないようにするのが非常に大切です。そう肝に銘じることで、英会話で失敗した時に、挫折を感じにくいメンタルに持っていくことが出来ます。
文章は短くぶつ切りにする
英語の会話文は、極端に言うと、ぶつ切りの文章がつながって構成されています。
英語は、日本語の「、」が入るべきところで文章をぶつ切りにして、AndやButなどの接続詞でつなげて話します。
まずは、日本語文をぶつ切りにするイメージをつかみましょう。
【例文】
「昨日、買い物に行ったときに、Tomに会ったんだけど、お母さんと一緒で、すごく優しくて、ちょっとびっくりした〜。」
この文章を「、」のところでぶつ切りにして、AndかButでつなげます。
I went shopping yesterday.(昨日、買い物に行った)
And
I met Tom.(Tomに会った)
And
He was with his mother.(彼はお母さんと一緒だった)
And(But)
He was so kind to her.(彼はお母さんにすごく優しかった)
And
I was a little surprised.(私は驚いた)
(※6行目でButを使うと、「Tomは意外にもお母さんに優しかった」というニュアンスになります。)
これだけです。
一文一文がシンプルなので、英作文もしやすいのではないでしょうか?
とはいえ、すぐに出来るようになるのは難しいと思います。でも、この感覚さえつかめば、かなり英会話が楽になります。
日本語文をぶつ切りにするトレーニング
それでは、具体的なトレーニング方法について説明します。
①日本語を書き出してぶつ切りにして英訳
②頭の中で日本語をぶつ切りにする
③日本語を経由せずに英語を話す
日本語を書き出してぶつ切りにして英訳
まずは、日本語の文を書き出して、それをぶつ切りにして英訳する練習をします。ぶつ切りにすること自体は簡単です。「、」で区切る場所で切れば良いだけです。
先程の例文を使って説明します。まずは、「、」のある場所で文章を区切ります。
昨日、買い物に行ったときに/Tomに会ったんだけど/お母さんと一緒で/すごく優しくて/ちょっとびっくりした〜。
そして、区切った文を英訳します。このとき日本語文を、自分の英訳しやすい形に直します。意味さえ変わらなければ、表現を変えてしまっても構いません。
【例】昨日、買い物に行ったときに→昨日、買い物に行った。
→I went shopping yesterday.
「買い物に行ったとき」でも大丈夫ですが、whenでつなげると長くなるので「買い物に行った」に変えました。(この文章では「とき」という表現が重要ではないので、省略できます。)
このように、意味が変わらない範囲で、自分の英訳しやすい形に変えて行きます。正解はありません。自分の訳しやすい表現で大丈夫です。
Tomに会った。(I met Tom.)
(Tomは)お母さんと一緒だった。(He was with his mother.)
(Tomはお母さんに)すごく優しかった。(He was so kind to her.)
(私は)ちょっとびっくりした。(I was a little surprised.)
日本語文ではあまり意識しませんが、時制と主語に注意しましょう。これでぶつ切りにできました。あとは、先に説明したように、AndやButでつなげるだけです。
英訳のコツ
ただ、英訳するにはコツがあります。とにかく、日本語の意味に固執せず、書いた文章の状況を思い浮かべて英訳するようにしてください。
例えば「ざっくばらん」と言いたい時、日本語に固執してしまうと英訳が難しくなってしまいます。こういう時は、まず日本語の意味を辞書で調べて、別の言葉に言い換えられないか調べてみます。もちろん、自分で考えても良いです。
もし良い表現が見当たらなければ、Google翻訳にかけてみても良いと思います。「ざっくばらん 英語」でググると出てきます。解説しているブログ記事も出てくるので、参考にすると良いでしょう。
調べてみると分かることですが「ざっくばらん」は文脈によって意味が変わります。言い換えた表現を使って、適切な英訳を行いましょう。
【例文】
Honestly speaking, I don’t like him.
(ざっくばらんに言うと、彼のこと好きじゃないんだよね。)
→Honestly speaking:正直に言うと
Let’s have a casual discussion.
(ざっくばらんに話し合いましょう。)
→a casual discussion:気軽な話し合い
「ざっくばらん」のように文脈によって意味合いが変わる言葉はたくさんあるので、その都度、自分で調べて、適切な表現を見つけていくのが大切です。そうするうちに、言い換えの幅が広がり、英訳するのが楽になってきます。
とにかく、一秒でも早く、日本語の枠組みを取っ払って、言いたいことの本質を意識できるようにする。これが英会話ができるようになる一番の近道です。
頭の中で日本語をぶつ切りにする
書いた文章をぶつ切り&英訳出来るようになったら、頭の中で英作文する練習を始めましょう。独り言でも、今思ったことでも何でも大丈夫ですが、英会話の練習なので、誰かに語りかけているイメージで話すと良いです。必ず、口に出して言ってください。
この時、Google翻訳に話しかけて、きちんと発音が認識されるか確認しても良いです。必ずしも正確に聞き取ってくれる訳ではないので参考程度ですが、半分以上聞き取ってもらえない場合は、文法が間違っている、もしくは発音の改善が必要だと思います。
日本語を経由せずに英語を話す
ここまでのトレーニングを地道に続けれていれば、もうだいたいの英語回路は出来上がっていると思います。あとは、日本語を経由せずに、英語を話せるようになるだけです。
言いたいことを、日本語で組み立てずに、本質的なイメージに注目して英語で話してみましょう。どうしても難しい部分は、日本語の力を借りても大丈夫です。でも、徐々に日本語で考えるプロセスを取り除いて、英語のみで表現できるようにしていってください。
これは、やってみないと分からないので、まずは①と②のトレーニングを十分に行なって、それからこの記事をもう一度読み直してもらうと、よりイメージがつかみやすいです。
このトレーニングを行うと、「言いたいこと→日本語→英語→発語」という回路から、「言いたいこと→英語→発語」という、日本語を経由しない回路を築くことができます。
もう、ここまで来れば、あとは話すだけです。オンライン英会話に挑戦しても、少なくとも、「何も話せない」ということはありません。
自分の使える英語に寄せる
実際に会話する時に、いちいち辞書を引いていては、せっかくの時間がもったいないです。とにかく、自分の持てる英語力を総動員して、知っている範囲内で表現する練習をしましょう。
会話中、どうしても分からない表現は、辞書で引くのではなく、相手に英語で聞くのが良いと思います。私もすぐに単語をど忘れするので、いつもやっています。
私「あの、噴水じゃなくて逆に水が流れる、自然の中にある…」
友「あ、滝のこと?」
私「それ!正解!」
と、もはやクイズ状態です(笑)
名詞は出てこないと難しいですが、その他は、近い表現に言い換えると良いです。ここで、言い換えのトレーニングが効いてきます。所詮は外国語なので、「表現が思いつかない」なんてことは日常茶飯事ですが、瞬時に近い意味の表現に言い換えれば、だいたいの会話はどうにかなります。
多少、違う表現でも問題ないです。その場で会話が成立することの方が大切です。ただ、軽くメモしておいて、あとから意味を調べましょう。そうすることによって、語彙力も広がっていきます。やみくもに単語帳で語彙を覚えるよりも、よっぽど記憶の定着も良いです。
どうしても英作文できない時は
どうしても自分で英文を組み立てることができない場合は、英文法と語彙が足りていないことが考えられます。
こちらの動画をみて、まずは理解の甘い部分を確認してください。(1.5倍速でいいです。)
最速50分で学べる中学英語授業 文法を解説/総復習/勉強法【高校受験対策無料授業】https://youtu.be/OUjECbUU658
確認したら、中学英文法のテキストを買ってきて復習しましょう。テキストは、必ず書店で見てから買ってください。動画でチェックした「理解の甘い部分」の説明を読んでみて、分かりやすい本を選ぶようにしてください。
どこが分からないかも分からない場合は、第4、第5文型や、動名詞、to不定詞辺りを読んで、分かりやすいものが良いです。(最初のbe動詞などは、どんな本でも分かりやすいので。)
また、英語の日常会話には3000語ぐらいが必要だと言われています。weblioのサイトで語彙チェックテストが受けられるので、確認してみてください。
https://uwl.weblio.jp/vocab-index
これで2000語に満たないようであれば、会話ができるレベルの語彙数に達していない可能性が高いです。まずは身の回りのものからで良いので、英単語を覚えていきましょう。
3000語レベルにならないと英会話の練習ができないのかというと、そんなことは全くありません。ご紹介したトレーニングと並行して勉強すれば大丈夫です。
カタカナ英語だけでも1000語程度あると言われているので、英作文をしたり、英文法の本を読んだりするうちに、3000語はすぐに超えると思います。
まとめ
外国語学習において、一番大切なこと。
それは挫折しないことです。
最初は誰だって上手に話せないし、失敗だらけです。
でも、下準備のトレーニングをするだけで、かなりのロスを回避できると私は信じています。このブログ記事が、貴方のお役に立ったら幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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